選択肢を示すということ

共産党の第五回中央委員会総会で、衆院選全選挙区で立候補を目指すというこれまでの方針を転換することが決まりました。私がちらほら見た中では、共産党に近いブロガーも、共産党に割と批判的な護憲派ブロガーも、大体は好意的な評価をしているようです。
この決定、私は正直言って残念だなぁと思いました。反対というわけではありません、むしろ現状では必要な決定で賛成なのです。具体的に自分が所属している地区(そのまま衆院選の選挙区と同じ範囲)で想定すれば、300万円という膨大な供託金や日常的に活動できる候補者とか考えると、むしろ立候補しない方が色々な面で力を集中できるのではと思います。
それでも、その選挙区では有権者共産党という選択肢を示せなくなるというのは、やはり残念でなりません。私は4月の県議選で、定数1を保守系無所属保守系無所属(自民推薦)の一騎討ちという、選択しようのない選択で悩みました。結局、3月に引越しした私は前の選挙区で投票できることが後からわかり、そこでは共産党の候補者に投票できたのですが、4年後はおそらく今住んでいるところで投票することになるので、悩むでしょうね。
これが総選挙でも起こるということです。そのとき自分がどういう投票行動を取るのか、ちょっとはっきりとは言えないなぁ。私は選挙で白票を入れません。評価がマイナス90とマイナス100の候補者しかいなくても、マイナス90の方に投票するでしょう。たとえ自分の意見と一致する候補者がいなくても、より嫌いな方に批判的な意思表示をすることが選挙だと思っています。だけど、そんな選挙じゃ正直行く気が失せますよね。
共産党が立候補するから自民党が当選するんだという人もいます。たしかに共産党が立候補しなかったら民主党が当選していた場合もあるかもしれません。しかし、選挙協力とかしているなら別ですが、共産党が立候補しないというのは、選択肢を狭めるということです。共産党が立候補していないから、仕方なく民主党や白票を投じたりするというのが、健全な民主主義の姿と言えるでしょうか?
共産党は立候補すべきではない」という主張は、「選択肢を狭めるべきだ」という主張と裏表です。そんな民主主義を否定する主張に共産党が同意するわけがありません。筋を通すなら「民主党共産党選挙協力しろ」と言うべきではないでしょうか。護憲派ブロガーの皆さんには、目的のために民主主義を見失うなんてことのないようにしていただきたいと思っています。
共産党がしっかり選択肢を示せるだけの力をつけていきたいなぁ。

そういえば、安倍首相が辞任を表明したそうですね。参院選で大敗してもまだ続けるというふてぶてしさは意外と大物なんじゃないかと思ったりしたものですが、今度は突然やめるって言うんですからねぇ、さすがに呆れてしまいました。こんな無茶な辞め方をすれば、後任の人は「安倍さんよりはマシだろう」と思われるかもしれません。それが狙い、なわけないか。

ところで、リンク集にBLOG BLUESを追加しました。共産党の看板を捨てて北欧型社民政党への大変身を、という主張などなど簡単には受け入れられませんが、参院選では、新自由主義改憲勢力が一番恐れるのは共産党、だからこの際「比例区共産党」と訴えていました。批判はなかなか厳しいですが、共産党への見方は温かい、そんな方のブログです。

(文責 contack)